理事長 新年のご挨拶 2022年

 

 皆様、令和4年の新年あけましておめでとうございます。

昨年中は社会福祉法人 宇和島厚生協会 児童養護施設「みどり寮」に対しまして、地域の皆様並びに関係機関の皆様方から多大なるご支援とご協力、ご助言を賜りまして誠にありがたく深く感謝しているところです。ありがとうございます。

 そして、「みどり寮」の分施設の地域小規模児童養護施設「子どもの家 すみよし」につきましては個別化、小規模化としての目標をかかげて、皆様方から注目いただく、高い評価をいただいて所期の目的を達するために務めております。また、当協会の取り組みとして、地域の子育て相談窓口を開き「こども家庭支援センターみどり」と名称して、開設以来、多くの相談やご助言を受けながら、子どもと共に歩むための絆を深める事業として務めております。

 昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染拡大防止策に追われ当施設で開催する諸会合の中止や延期、やむえない会合は人数を制限して開催するなどして対応しました。中でも当施設が一大行事とする地域交流事業「いもたき大会」を中止しましたが、子どもたちには当大会の二年連続中止のため、地域の皆様とのふれ合いの場が出来ず、皆でため息をつくほど、残念な思いでありました。本年度開催もコロナの変異株発生により状況変化に応じて策を考えることにしなければならないと思います。

 私は、本年1月4日の御用始めのご挨拶に諸先生方へ次のような内容を主にお話しさせてもらいました。「母のにぎり飯弁当」と題してでした。読んだ本の中に「おむすび」についてこうありました。「おむすび」を結ぶ時、まず、手のひらへ塩を取る。これは味を付けるだけでなく、怪我のないようにとの清めの塩としての意味も含まれているとありました。塩を手のひらに取りますが、手のひらは最もエネルギーが集中しているところで、そこのエネルギーと結ぶお母さんの愛情をぎゅっと「おむすび」に込めて結ぶのです。この仕草を見て昔から言われる言葉に子どもを親が大切に育てる「手塩にかける」ということになっています。私が、中学生時代です。各校別対抗秋季陸上競技大会へ出場しました。今から70年余前のことです。思うにその時代と言うのは、日本国内どこもが食糧不足でして、皆が満足に美味しいものや腹を満たすことが出来ない家庭がありました。美味しいものは今日のように豊富でなく手に入ることも出来なかったのです。私の家は農家でしたので、美味しいものはありませんでしたが、腹を満たすことは親が田畑を耕作していて出来ました。母は、出場する早朝に白色の割ぽう着を付けて、台所へ立って弁当を作ってくれました。弁当箱を開けると愛情のこもった「にぎり飯弁当」の中に、にぎり飯に添えて玉子焼き、煮豆などが入っていたように思います。「この弁当を食べて頑張るんですよ」と持たせてもらった「手塩にかけたにぎり飯弁当」、母の心がこもった弁当でして、私の心に歳月は何十年と経過していても心の隅に残っています。

 ここ「みどり寮」で頂く調理員の先生方が作るご飯もこの意味がこもっています。それぞれの持ち場、持ち場でご活躍くださる諸先生方のお仕事は、子どもを育て教える献身的な心のこもった姿です。この心のこもった姿は子どもの心を動かすのです。諸先生方の姿そのものが、子どもの姿となって日常生活の中に表われるものです。そして、その心は子どもたちが、将来、社会人として生きるために生かされて来ることを先生方の心へ止め置いてくださって、本年も諸先生方の汗の活動により、子どもたちがのびのびと元気に育ってくれますようご祈念申し上げまして私のご挨拶とします。………とこのようなお話しをしました。

 皆様、本年も社会福祉法人 宇和島厚生協会 児童養護施設「みどり寮」他2施設をお願い申し上げ、皆様方のご多幸とご健勝を祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。

 母にぎる  塩味香る  霜の朝』 

社会福祉法人 宇和島厚生協会

理事長 曽根 貞義

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