理事長 新年のごあいさつ 2021年

 

 皆様、新年あけましておめでとうございます。

昨年中は社会福祉法人宇和島厚生協会 児童養護施設「みどり寮」に対しまして、地域の皆様並びに関係機関の皆様方から多大なるご支援とご協力、ご助言ご指導を賜りましたことを深く感謝申し上げます。

 そして、地域小規模児童養護施設の「子どもの家すみよし」は開設以来、入所児童の個別化、小規模化を目標として、質の向上のために皆様方からの高い評価を頂きながら務めております。また当協会での取り組みとして、地域の子育て相談窓口とする「こども家庭支援センターみどり」を開設して以来、相談を受けながら子どもと共に絆を深める事業として務めているところです。

 さて、昨年中は年頭よりご承知のように新型コロナウイルスの発生により、私たちの生活や経済活動を脅かしていまして、社会全体が大きな閉塞感に包まれておりますが、私たちはこの終息がはっきりしないウイルスと共存しながら生き抜く上にも私たち自身の心のあり方が問われているように思います。不安な毎日が続きますが、必ずワクチン開発研究が進み、明るい生活のできます時までを耐えしのんで頑張っていきましょう。私の脳裏を一番に過ぎるものは、子ども達がコロナ感染しないで毎日を元気で暮らしてほしいことを祈るところです。

私今、この挨拶を書く机の上に一冊の本を置いております。本の題名が「ひとりぼっちの私が市長になった」筆者は当時茨城県高萩市市長を務められた草間 吉夫(くさま よしお)氏です。プロフィールが記述されていますが、文章の関係で手短にしかご紹介できませんが、筆者は1996年(昭和41年)に茨城県つくば市で生まれた、家庭の事情で生まれて3日目で乳児院へ預けられ、満2歳時に高萩市内の児童養護施設に措置変更され高校卒業まで育ち、東北福祉大学を卒業、東京と茨城県の児童養護施設に務め、後に松下政経塾へ入塾し、「要保護児童支援」「自立支援」「福祉サービスモデル」を主にテーマとして国内外で研究研修の後、東北福祉大学大学院を修了、特任講師を務めて高萩市長選へ立候補、市長に当選されたとあります。

※草間 吉夫氏立候補の当日、自分が育った児童養護施設の前で挨拶される。次の内容だったと記述されています。(集まった人の中に子ども達もいたとあります。)

『ぼくは小さい時にこの養護施設にきて、親の顔も知らないし、親の愛情も知らないで育った。だけど夢をもって生きてきて、こうやって市長選に出るまでになった。皆も、辛い事や寂しい事もあるだろうけど、生きるんだよ。夢は辛い時に励ましてくれるし、自分を引っ張って行ってくれる。ここにいるみんな、誰もがこの世界でたった一人しかいないじゃないか、自分に誇りをもって生きてほしい』と述べられていました。

 本年のご挨拶は、元茨城県高萩市市長 草間 吉夫氏のことに触れたご挨拶になりましたが、私の申し上げたいことそれは、児童の多くが何かしらの課題を抱えている。児童の一人一人の中に入ることはできないとしても、人間は一人では生きられない事。日常至る所で出会う人々のお世話があって皆があると思う。感謝する心を忘れない事、時代が変化しようとも、人と人との信頼関係ができることの大切さを忘れない教育は不変であると思うところです。心から「ありがとう」の気持ちが言える児童が一人でも多く育ってくれることを祈っています。

 本年も、社会福祉法人宇和島厚生協会 児童養護施設「みどり寮」をお願い申し上げ、皆様のご多幸、ご健勝を祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。

 

                   令和3年1月吉日

社会福祉法人 宇和島厚生協会 理事長 曽根 貞義

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